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人生のバイブル本にオススメの1冊【孫子の兵法】

こんにちは、SUKEゴリです。

「孫子の兵法」を知っていますか?

「孫氏の兵法」は紀元前500年前後に書かれた古い戦術書ですが、ビル・ゲイツや孫正義など、多くの成功者が読んでいます。

私は30歳を目前にして、
「今後の人生で、軸となるような本質的な考え方が学べる本を読みたい」
と思って読み始め、「孫氏の兵法」の一文が座右の銘の1つになるほどの影響を受けました。

今回は、

  • 「人生で読んでおけば、いざという時に助けになる本が知りたい」
  • 「人生のバイブルになる本を教えて欲しい」

というような人にオススメしたい「孫子の兵法」について解説します。

なお、「孫子の兵法」を題材とした本の中で、私が一番オススメするのは「新訂 孫氏(岩波文庫 金谷治 注訳)」です。

ただ、この本を1冊目とするのはかなりハードルが高いと思います。
「孫氏の兵法」を題材にした本の中には、漫画タイプの本もありますので、最初は本屋で自分が読みやすいと思ったものを読んでみるといいと思います。

では順番に解説していきます。

人生のバイブル本になる「孫子の兵法」

「孫氏の兵法」は実戦の体験によって生み出された現実的な戦術書です。
そのような古い戦術書である「孫子の兵法」ですが、現代人の人生のバイブル本になると思っています。
その理由は次の3つです。

『孫氏の兵法」がバイブル本になる理由
  • 本質を捉えている
  • 転用力がある
  • 有名な言葉が多い

本質を捉えている


「孫子の兵法」はシンプル、かつ、本質を捉えた内容です。
なぜ、戦術書である「孫子の兵法」が本質を捉えた本なのか?

それは、

「戦争」という命がかかった局面での戦術書に留まらず、「集団指揮」「人身掌握」「現状分析」といった多岐にわたる内容が書かれている。

からです。

現代の日本人は、「命」がかかった選択を迫られることはありませんが、
「人生」を左右する大きな決断をしなければいけない場面はあるでしょう。

そのため、
「戦争」という究極の状況下での人の行動が書かれた「孫氏の兵法」は、人生の諸問題を解決する大きな手助けになるような内容になっています。

転用力がある


とはいえ、「孫氏の兵法」は戦術書です。
戦争のない日本では、この本を直訳しても使えない内容が多いですし、戦術書としてもその内容は古いです。
しかし、その本質を捉えた内容は、様々な問題解決へ転用することを比較的容易にしてくれます。

ここで言う「転用」とは、
この本の内容を、自分の問題解決に活用できないか考えること。

「転用」といっても難しく考える必要はありません。

例えば、私の座右の銘である、

「先ず勝つべからざるを為して、以て敵の勝つべきを待つ」

という言葉があります。

これを直訳すると
「まず、誰も勝てない状態にして、誰でも勝てる状態になるまでを待つ」
という意味になります。

私はこの言葉を次のように転用しました。

「成功するまで何度でも挑戦できるように、まずは、挑戦し続けられる環境を作る」

誤解を恐れずに言えば、
本来の意味とは異なった解釈だとしても、それであなたの問題が解決したなら良いのです。
大切なことは、「正しく理解できかではなく、上手く転用・応用することができたか」です。

有名な言葉が多い

  • 風林火山
  • 呉越同舟
  • 彼を知り、己を知れば百戦して殆うからず

など、「孫氏の兵法」には一度は聞いたことがあるような言葉が多いです。
「この言葉も孫子の兵法が語源だったのか」と思う言葉が他にも見つかるかもしれません。

また、
本質をシンプルにまとめてくれているので、「これいいな」と思える言葉が見つかる可能性も高いです。
今、問題を抱えている人なら、その問題の解決につながる言葉が見つかるかもしれません。

「心に響く言葉」や、「人生を変えた一言」も、言い方が異なるだけで、その本質的な部分は「孫子の兵法」に書いてあるものが多いように感じます。

「対人関係」における問題を解決

なぜ2500年も前に書かれた戦術書が、現代でも応用することが出来るのでしょうか。
その理由を私は次のように考えています。

現代でも応用できる理由は、
(戦争とはいえ結局)「人」が絡んだ問題について書かれているから。

心理学者のアルフレッド・アドラーも「すべての悩みは対人関係の悩みだ」と言っています。
「戦争」も、「現代人の悩み」も結局、「人」が絡んだ問題です。

そのため、
この本の内容は現代人の悩みや問題解決に応用することができるのです。

「仕事」「恋愛」などにも活用できる


「仕事」や「恋愛」も、「人」が絡んでいます。

例えば、

「用間篇」の「スパイを使って情報を集める」

これは「仕事」や「恋愛」にも応用できそうですよね。

また、

「虚実篇」の「敵の弱いところ(弱点)を攻める」
「謀攻篇」の「戦いが上手な人は、敵の陰謀を討ち、戦うことなく敵を屈服させ、利益を獲得する」

これらは、「スポーツ」や「ビジネス」の世界で普通に使われる戦法です。

このように、この本は読み手次第で、どんなことにも応用できます。

人生の選択(大きな決断)で活用できる


あなた自身も「人」です。
「自分以外の人」との問題だけでなく、「自分自身」の問題の解決にも活用できます。

例えば、
「何かに挑戦したいけど、成功するか不安で一歩目が出ない」という問題なら、

「計篇」の「その戦いに勝算はあるか」
「地形編」の「地(自分の強み)や天(時流)をちゃんと理解しているか」

という考え方が問題解決の手助けになるでしょう。

あるいは、「変わりたいけど、なかなか変われない」という問題なら、

「九地編」の「人は戦うしかない状況では、戦うようになる」

と同じ状況に身を置いてみるといいでしょう。

「孫子の兵法」は、今後の人生を左右する決断の時に、悩み立ち止まるのではなく、前に進むための「次の一手(行動)」を見出してくれます。

「考えること」の手助けになる


「孫氏の兵法」は「考えること」の手助けにもなります。

ちなみに、
「考える」と「悩む」は別物ですよ。

考える:「シンプル」にすること
悩 む:「複雑」にすること

問題に直面した時に「悩む」人はいつまで経っても次の行動に移せません。
直面した問題をどんどん複雑化し、「次の一手」を決められないからです。

しかし、「考える」人は違います。
直面した問題をシンプルにするので、「次の一手」が決まります。
次の一手が決まれば、「行動」することができます。

重要なのは、
「正解」か「不正解」かではなく「次の行動に移せる」かということです。
「孫氏の兵法」に書かれた具体的な行動は、「次の一手」を考える手助けになります。

「孫子の兵法」全十三篇

ここでは、「孫子の兵法」全十三篇について簡単に解説していきたいと思います。
各篇の「私が好きな文」と、その文に対しての一言が書いてあります。

なお、書き下し文は「新訂 孫子 (金谷 治)」からの引用になります。

【計篇】勝算なき戦いはしない

兵とは詭道なり。

訳:戦争とは詭道(きどう:正常なやり方に反した手段)である。

出来ないことを、出来るように見せることも大切。

【作戦篇】戦うなら短期決戦

兵は拙速なるを聞くも、未だ巧久なるを睹ざるなり。

訳:戦争には「上手くいかず、すばやく切り上げる」というのはあるが、「上手くいって、長引く」というのはまだない。

やってダメなら、素早く切り上げる。

【謀攻篇】「相手」と「自分」を理解していれば負けない

虞を以て不虞を待つ者は勝つ。

訳:しっかりと準備をして、準備をしていない敵を討てば勝つ。

変化する環境では、準備をしていない人から消えていく。

【形篇】負けないために「守り」を固める

先ず勝つべからざるを為して、以て敵の勝つべきを待つ。

訳:まず、誰も勝てない状態にした上で、誰でも勝てる状態になるまでを待つ。

成功するまで何度でも挑戦できるように、まずは、挑戦し続けられる環境を作る。

【勢篇】適材適所

勢に任ずる者は、其の人を戦わしむるや木石を転ずるが如し。

訳:勢いに任せて戦うことが出来る人が兵士を戦わせるありさまは、(坂の上から)石や丸太を転がすようなものだ。

自分に向いていることは、頑張らなくても成果が出る。
だから、そこで頑張れば頭一つ抜けることができる。

【虚実篇】主導権をにぎる

水の行は高きを避けて下きに趨く。

訳:水は高いところを避け、低いところへ流れていく。

もっと楽な道(ストレスのない方法)がある。

【軍争篇】状況に応じた行動をする

言うとも相い聞こえず、故に金鼓を為る。視すとも相い見えず、故に旌旗を為る。

訳:言っても聞こえないから、鐘や太鼓を鳴らす。指し示しても見えないから、旗を掲げる。

できるかどうか分からないから、一回やってみる。

【九変篇】「利」と「害」を考える

智者の慮は必ず利害に雑う。

訳:知者の考えは、必ず利益と害悪を交えて考える。

何事も「良い面」と「悪い面」がある。
だから、完璧(良い面しかないもの)を探しても見つからない。

【行軍篇】相手の状況をよく観察する

惟だ武進すること無く、力を併わせて敵を料らば、以て人を取るに足らんのみ。

訳:何も考えずに猛進することなく、戦力を集中させて上手くやれば、兵の数は問題にならない。

少数精鋭

【地形篇】環境を味方にする

地を知りて天を知れば、勝乃ち全うすべし。

訳:地形を理解し、天候も把握していれば、いつでも勝てる。

自分の強みと、時流(トレンド)が噛み合えば上手くいく。

【九地篇】状況に応じて変化する心情を理解する

兵士は甚だしく陥れば則ち懼れず、(中略)已むを得ざれば則ち闘う。

訳:兵士は、あまりにも危険な状態になれば恐れなくなり、(中略)戦うしかない状況では戦うようになる。

環境が変われば、人は変わる。

【火攻篇】死んだ者は生き返らない

亡国は復た存すべからず、死者は復た生くべからず。

訳:滅んだ国は二度と元には戻らないし、死んだ人は二度と生き返らない。

死ななければ、何度だって挑戦できる。

【用間篇】情報が何より大切

爵禄・百金を愛んで敵の情を知らざる者は、(中略)勝の主に非ざるなり。

訳:地位や褒美、お金を与えることを惜しんで敵情を知ろうとしないのは、(中略)勝利を収める者でもない。

(有益な)情報を得るためのお金は惜しまない。

まとめ:必ずあなたの助けになる

「孫氏の兵法」を一読し、自身の状況に応用できれば、必ずあなたの助けになります。

私自身、この本を読んで、決断できたことがたくさんあります。
その決断が、「正解」か「不正解」かはまだ分かりませんが、もし、不正解だったとしても「次の一手」を考えればいいかなと思っています。

「孫子の兵法」は好戦的な本ではありません。
「戦う前の準備の大切さ」「戦うことになった時の対応」について教えてくれる本です。

あなたは、この先の未来を受け入れる準備ができていますか?

この本を読むことがその準備の一歩目になるかもしれません。

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すけごり
サイドFIRE目指す30代会社員。資産運用は高配当投資がメインで、年間配当額は40万円超。米国ETFのVYMが主力。現在、副業にも取り組んでます。